「毛の国 足利クラフトフェア」とは?

 2025年から始まった「毛の国 足利クラフトフェア」は、栃木県足利市にある栗田美術館の中庭において、毎年4月の第1土曜・日曜日の開催を予定しています。
 第1回の開催には厳正な選考で選ばれた116名の陶磁、木工、ガラス、染織、金工、その他多彩なジャンルのクラフト作家が出展し、多くの来場者が質の高い作品の購入とともに、出展作家との交流を楽しみました。また、フードブースには19店の地元を中心にしたグルメショップが出店し、来場者のもうひとつの楽しみとなりました。
 会場を移動しながら演奏するヴァイオリンやアコーディオンの演出も、「毛の国 足利クラフトフェア」ならではと評判となりました。

理念と目的

室町文化を築いた足利氏の父祖の地で、
生活を土台にしたモノづくりの作家と使い手の
交流の場をつくる

 4~5世紀ころの当地域は毛野国(けぬのくに・けのくに)と呼ばれていました。その後、渡良瀬川を境に現在の栃木県南部が下毛野国(しもつけのくに)、群馬県側が上毛野国(かみつけのくに)になったと言われています。その中で、渡良瀬川両岸に広がる地域を両毛(りょうもう)と呼ぶようになりました。この地は古来から絹織物や鋳物の産地としても知られ、多くの職人・匠の技が引き継がれ、多岐の工芸(モノづくり)作家が育ってきました。
 また、足利は日本の文化の礎となった室町文化を築いた足利氏の父祖の地でもあります。しかし近年、そうした伝統ある文化の重みが希薄になってきていることも現実に感じます。
 そこで私たちは、両毛地域はもちろん全国のクラフト作家の「心と技」にふれ合う機会をつくり、人びとのくらしを支えてきた全国のモノづくり=クラフトマンたちからの刺激を感じられるクラフトフェアを目ざします。来場者と出展者の笑顔があふれる会場を創り出し、工芸を通してこの地への愛着と偉大な先人たちへの畏敬の念を深めていただけることを願っています。

※毛野国・毛の国(けぬのくに・けのくに)
毛とは穀物のとれる大地=穀物や草木のことといわれる。また織物を指すこともあって、この地は古来から織物が盛んでした。

組織概要

主催 足利クラフトフェア実行委員会
実行委員長 栗田 俊英(栗田美術館 館長)
事務局所在地 〒329-4217 
栃木県足利市駒場町1542 栗田美術館内